アジアシリーズ2008 11.13-11.16 TOKYO-DOME

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【コラム】 韓国代表・サムスンライオンズを探る(投手編)

 「守る野球」。これをテーマに掲げ実践し、就任2年目で2年連続優勝という、韓国球界初の偉業を達成した、ソン・ドンヨル監督。サムソン連覇の生命線、それは投手陣だ。他球団にはない充実した先発陣。序盤のリードを鉄壁のセットアッパーと抑えにつないで勝利する。これがサムスンの勝ちパターンとなっている。

 先発陣はエースのペ・ヨンス(9勝)とティム・ハリカラ(12勝)とジェイミー・ブラウン(11勝/元阪神)の両外国人に、左腕のチョン・ビョンホ(10勝)、そして今季からローテーション入りしたイム・ドンギュ(8勝)と並ぶ。エース、ペ・ヨンスは韓国シリーズで全6試合中5試合に登板する大車輪の働きを見せたが、肘の手術で渡米するため、本大会には不参加するのではないか?との情報もある。初戦の日本ハム戦には、左打者が中軸に並ぶということで、チョン・ビョンホの先発が予想される。チョン・ビョンホは、直球が130キロ台で、スローカーブとの緩急が武器の投手。そのチョン・ビョンホがピンチを迎えれば、先発を長いイニングは引っ張らず、早いイニングから継投していくのが、短期決戦でのソン・ドンヨル監督の戦い方だ。

 中国戦にぶつけるのはイム・ドンギュだろう。チェンジアップを武器とし、今季先発入りした投手だが、球速がないため高めに浮くと被弾するケースが多く、今季の被本塁打リーグ1位(20本)。しかし、広い東京ドームで中国相手であれば、思い切ったピッチングができるだろう。

 サムスンとしてはもし日本ハム戦を落としても、チャイナスターズとLA NEW戦に勝利し、なんとか決勝に駒を進めたいところ。決勝への最大の難関はLA NEW戦となる。LA NEW戦への先発はハリカラ、ブラウンのいずれかの状態が良い方が先発し、一方が決勝戦へ待機となる可能性が高い。決勝戦まで進めば、投手総動員となるだろう。

 先発陣が5回までなんとかゲームをつくり、終盤につなぐのがサムスンの真骨頂。サイドスローのセットアッパー、クォン・オジュン(67試合32ホールド、防御率1.69)と抑えのオ・スンファン(63試合47セーブ、防御率1.59)、この“KOパンチ”(2人の頭文字から)がサムスンの命運を握る。オ・スンファンは昨年ルーキーながら、抑えとしてチームの優勝に大きく貢献し、韓国シリーズではMVP。WBCでも代表に選ばれ、今、韓国で最も注目される投手だ。今季は47セーブを挙げ、岩瀬仁紀(中日)の持つ日本年間最多の46セーブを抜き、「アジア新記録」として話題を集めた。

 サムスンとしては、エースのペ・ヨンスを欠いた場合より厳しい戦いとなるが、かつての球界を代表する抑え、イム・チャンヨンが右ひじ手術後のリハビリから復帰。今季、公式戦ではシーズン後半1試合のみの登板だったが、韓国シリーズでの投球に、ソン・ドンヨル監督も「思ったより状態がいい」と嬉しい誤算。本大会ではイム・チャンヨンのしなやかなサイドスローがマウンドで数多く跳ねると、ペ・ヨンスの穴が埋まるだろう。

 とにかく、5回以降に“KOパンチ”につなぐゲームをする。これがサムスンの優勝への道だ。

◆予想先発投手
日本ハム戦 チョン・ビョンホ
チャイナスターズ戦 イム・ドンギュ
LA NEW戦 ティム・ハリカラまたはジェイミー・ブラウン

■室井昌也
1972年東京生まれ。韓国プロ野球の伝え手として、著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』は2004年より毎年発行。韓国のスポーツ紙でもコラムを毎週韓国語で連載している。アジアシリーズでは地上波中継局への情報提供、執筆などのほか、アジアシリーズプロモーションの一環として『韓国プロ野球トークライブ』を11月11日(土)に実施する。
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